病棟家庭教師
2005年2月3日今週と来週、私は臨床実習で血液内科を回っています。
本学における血液内科という名称は正式には独立した科を示しているものではなく、各診療科が臓器別再編成をされる前の科、すなわち旧第二内科の血液グループのことを意味しています。
血液内科という科は教官にとっても学生の担当患者さんを選定するのが困難です。疾患の特性上、まず患者さんの平均年齢が他科よりもはるかに若く、そして病状も予断を許さない方がほとんどです。特に大学病院という環境下では・・・・。
そんな中で学生に割り当てられる患者さんは限られ、むしろ割り当てられた患者さんは予後判定の観点からは展望の明るい方々といっても過言ではありません。少なくとも学生の立場から内情を察すると切ない思いに駆られてしまいます。
と、そのような背景があるのですが、結果的に私が担当させていただいている患者さんは16歳の高校1年生、男の子です。診断はアデノウイルス感染を契機としたHPS(血球貪食症候群)ですが、当科での治療経過は極めて順調で、退院を今や遅しと待ちわびています。
彼はこの入院中に学校の勉強が遅れてしまうことを懸念し、お母様に教科書や問題集を持ってきてもらって日中はベッドで勉強に励んでいる、そんな患者さんです。そういう状況の患者さんですので、逆に学生の立場からすると“臨床実習的”には“暇”です。じつに失礼な解釈かも知れませんが。
いいえ、もはや何と言われようが“暇”で大いに結構、私は元気な担当患者さんの要望に応えて血液内科では病棟家庭教師に専念しています。昨日は英語で関係副詞や同格のthat、数学では三角比の概念と基本問題の解き方などを2時間ほど教えました。彼がヤル気なら私も倍返し、「この入院期間中に同級生を追い越してリードを奪え。それくらいの気概で頑張ろう!」と煽って互いに本気になっています。
あぁ・・・・幸運にも(残念ながら!?)この調子なら彼は近いうちに退院の運びとなりますが、そんなことは考えずに彼と過ごせる残り少ない日々を大事にしたいと思います。
「おはよう。体温は・・・・O.Kだね。血液データも順調だよ。病院のごはん、これは○○君には足りないんじゃないの? えっ、平気? でも、やっぱりお腹空くでしょ?(彼の本音は“Yes”) 売店で間食すると太っちゃうって? そんなの平気だよ。まだ16歳でしょ、元気になってから普通に運動していればすぐに戻るからさ。」
こんな会話を交わしながら、今日も私は模擬主治医を返上して病棟家庭教師に専念したいと思います。
本学における血液内科という名称は正式には独立した科を示しているものではなく、各診療科が臓器別再編成をされる前の科、すなわち旧第二内科の血液グループのことを意味しています。
血液内科という科は教官にとっても学生の担当患者さんを選定するのが困難です。疾患の特性上、まず患者さんの平均年齢が他科よりもはるかに若く、そして病状も予断を許さない方がほとんどです。特に大学病院という環境下では・・・・。
そんな中で学生に割り当てられる患者さんは限られ、むしろ割り当てられた患者さんは予後判定の観点からは展望の明るい方々といっても過言ではありません。少なくとも学生の立場から内情を察すると切ない思いに駆られてしまいます。
と、そのような背景があるのですが、結果的に私が担当させていただいている患者さんは16歳の高校1年生、男の子です。診断はアデノウイルス感染を契機としたHPS(血球貪食症候群)ですが、当科での治療経過は極めて順調で、退院を今や遅しと待ちわびています。
彼はこの入院中に学校の勉強が遅れてしまうことを懸念し、お母様に教科書や問題集を持ってきてもらって日中はベッドで勉強に励んでいる、そんな患者さんです。そういう状況の患者さんですので、逆に学生の立場からすると“臨床実習的”には“暇”です。じつに失礼な解釈かも知れませんが。
いいえ、もはや何と言われようが“暇”で大いに結構、私は元気な担当患者さんの要望に応えて血液内科では病棟家庭教師に専念しています。昨日は英語で関係副詞や同格のthat、数学では三角比の概念と基本問題の解き方などを2時間ほど教えました。彼がヤル気なら私も倍返し、「この入院期間中に同級生を追い越してリードを奪え。それくらいの気概で頑張ろう!」と煽って互いに本気になっています。
あぁ・・・・幸運にも(残念ながら!?)この調子なら彼は近いうちに退院の運びとなりますが、そんなことは考えずに彼と過ごせる残り少ない日々を大事にしたいと思います。
「おはよう。体温は・・・・O.Kだね。血液データも順調だよ。病院のごはん、これは○○君には足りないんじゃないの? えっ、平気? でも、やっぱりお腹空くでしょ?(彼の本音は“Yes”) 売店で間食すると太っちゃうって? そんなの平気だよ。まだ16歳でしょ、元気になってから普通に運動していればすぐに戻るからさ。」
こんな会話を交わしながら、今日も私は模擬主治医を返上して病棟家庭教師に専念したいと思います。
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