研修医生活の始まり
いよいよ4月2日から研修医生活が始まりました。
国家試験の合格発表日に書いた日記へは沢山の方々からお祝いのコメントをいただき、本当にありがとうございました。
この場をお借りして皆様に御礼申し上げます。
この日記は長らく「’06医師国試受験予定者の日記」という表題で書き続け、その’06医師国試を受験後も相変わらず同じ表題のままでしたが、そろそろ新しいものに変えなければいけませんね。
そこで、これから暫くは「研修医 panda の日記」という表題で書いていこうと思います。

研修医としての仕事始めが4月2日なのに、その前日の4月1日まで塾講師のアルバイトを続けていた私には我ながら感心しています。
かれこれ4年半ほど勤めた塾では、なんと私の退職を惜しんで色紙を用意してくださった同僚講師がいました。
ここで「色紙を用意する」と書くと、普通は後輩から卒業生へ送る寄せ書きのようなものを想像されるかと思いますが、全く逆でした。
彼が無地の色紙を持参して、「私はpanda先生のことを大変尊敬していました。正直な話、panda先生がいるからこそ私も今までこの塾で働いてきました。最後に、この色紙に何かお言葉を頂戴してもよろしいでしょうか?」と言われてしまいました。
もちろん、こんな経験は私にとって初めてのことなので非常に戸惑ってしまいました。
まずは自分が誰かから尊敬されるような人間とは程遠い存在である旨を伝えつつ、しかし彼が普段から私を慕ってくれていたことは自覚していましたので(よく授業中に私の物真似をしていました)、偉そうな言葉が相応しくない私は、簡潔に座右の銘である「感謝」という言葉を書いて差し上げました。

私の生活費と学費を支えてくれた塾講師生活はこのような気恥ずかしい体験で幕を閉じ、翌日からは以後何十年にも渡るであろう医師生活の第一歩を踏み出しました。
まだ今週はオリエンテーションで、しかも出身大学の附属病院なので学生実習の延長のような気分が抜けきれませんが、いよいよ来週からは病棟に配属されます。
いくら肩書が研修医でも国家資格上は医師です。
今は知識も技術もありませんが、「研修医だから・・・」という後ろ向きな言い訳で逃げるのではなく、医師であることの社会的・倫理的責任を重く受け止めながら、眼前に広がる無限の尊い教材を余すところなく貪欲に吸収していきたいと思います。
受験番号発見
先ほど、引越し作業の合間にパソコンを開いて厚生労働省のホームページを覗いてみました。
第100回医師国家試験合格者発表(速報)という所をクリックして、受験地や受験番号帯などを順次進んでいったところ、どうやら私の受験番号と思しき数字を発見しました。
これは合格ということなのでしょうか。
豊島区に住んでいる父親に電話で報告してみたところ、これから霞ヶ関にある厚生労働省本庁舎へ行って掲示板で確認してくるようなことを言っていました。
元来、私もインターネット上での情報には懐疑的ですので、まだ100%合格を確信したわけでもありません。
といっても、さすがに国家試験の合格発表でミスや虚偽は許されませんので、99.8%程度は合格を信じて次の行動に移ります。

次の行動とは、近くの保健所へ行って医師免許申請の手続きをしなければなりません。
これが案外厄介なもので、各種証明書や診断書に加えて、なんとドサクサ紛れに6万円という大金を徴収されるのです。
これには普段温厚な私でも相当立腹しておりまして、6万円という大金を何の疑問もなく軽々しく徴収しようとする国の姿勢には到底納得できません。
まあ、そうはいっても6万円の支払いを拒否していては待ち望んだ医師免許を永久に発行していただけませんので、この悔しさを次なる舞台でのエネルギーに転嫁しようと思います。

それでは、途中で銀行に立ち寄ってから保健所へ手続きに行ってまいります。
明日が合格発表
いよいよ明日は第100回医師国家試験の合格発表です。
午後2時に厚生労働省のホームページで発表されますが、きっとアクセスが集中して閲覧までに相当待たされることが予想されます。
もちろん厚生労働省の本庁舎や各地方厚生局では掲示板で発表されるそうですが、わざわざ交通費をかけて見に行くほどの意欲が湧きません。
入学試験の合格発表と違ってドキドキ感がなく、一種の確認作業のようなものだと捉えています。
もちろん今のところ合格を確認するつもりでいますが、何度も見直したはずの答案用紙で実際はマークミスがあったり、国が合格基準を例年よりも大幅に厳しく設定したり、そのように不合格となる要素を考え出したらきりがありません。
しかしながら、今回は第100回記念で合格率も100%!? という超楽観論が受験生の間でまことしやかに囁かれていましたので(もちろん、そんなはずはありません!)、考えても仕方のない無駄な心配をするよりは、どっしりと大らかに構えて合格発表を迎えたいと思います。
どのような結果になっても、その結果に従って次の一歩を踏み出すのみです。

はっきり言って、今は国家試験の結果を気にするよりも引越し作業のほうで精一杯です。
学生寮から大学病院近くのアパートまで1km弱を引っ越すだけなのですが、近いからと甘く見て自分一人で地道に作業を進めていたら大変な目に遭いました。
本棚の書籍をバッグに詰めて自転車で運ぶだけでも何往復かかったでしょうか・・・・ダメ医学生だった私でさえ生意気にも医学書の総重量だけは人並みです。
かの有名なハリソン内科学だけでもダンベルに匹敵して、いかに紙は比重の大きな物質であるかということを嫌というほど痛感させられています。

そんなこんなで明日も引越し作業に追われ、ふと思い出した頃に国家試験の結果を確認しようと思います。

上善若水

2006年3月9日
上善若水
上善若水・・・・私が大好きなこの言葉は、「老子」第八章冒頭の一文だそうです。
もっとも、文学音痴な私が老子など読むはずもなく、別の本の中で引用されていたことがきっかけで知った言葉なのですが。

水はいつでも自然体である。
水が無くては誰も生きられないのに、しかし水は全然威張らない。
ただ高いところから低い所へと流れ、川になり海になる。
そんな大きな存在なのに、水は何も言わない。

という解釈(間違っていたらゴメンナサイ!)になるそうです。
私自身もこんな医師になりたいと思っています。
「医師が無くては誰も生きられない」は言い過ぎですが、やはり医師の存在なくして現代社会が成り立たないのも事実です。
そんな中で、不可欠な存在なのに威張らない、さりげなく世の中のお役に立てるような無名医師でありたいと思います。
もちろん強力なリーダーシップを発揮して大きな舵取りをする指導者は必要で、威張るかどうかはともかく存在感を発揮する医師は絶対に必要です。
だけど私は panda という名前が示すとおりマイペースな性格で、ある大目標に向かって急ぐあまり何か大事なものを見失うよりも、地味ながら着実な一歩一歩を踏みしめていくのが理想の生き方です。

もうすっかり医師になるつもりで書いてみましたが、国家試験の結果しだいでは国から門前払いを受けます。
だけど妙に強気な私は、国家試験用の問題集や参考書を一切処分してしまいました。
後輩が使えそうなものは譲り、毎年新版が出て刷新されるものは医学系古書店で売却しました。
ここで疑問・・・・ターンオーバーが早いから後輩に譲らなかったのに、それを買い取ってくれた古書店はどんな値段で売るつもりなのでしょうか?
ゴミとして捨てる前に、あわよくばと思って古書店に寄ってみただけなのですが。
もしかして医学に興味のある一般人の方が買いに来ることもあるのかな?
そういう例を除き、国家試験の勉強を始める医学生の方は古書店に期待してはいけません。
先輩から譲り受ける場合は必ず有用性を確認し、新しさを要求されるものではケチらずに投資しましょう。
大まかな目安としては、解剖や生理などの基礎医学系はかなり古くても十分で、臨床医学系は新しさを追及したほうが良いと思われます。

本は少し片付きましたが、それより何よりも今月中に引越しをしなければなりません。
来週の初めに候補のアパートを幾つか回って契約し、PSE問題の煽りを受けて叩き売り状態になっている家電製品をこの機会に補充し、考え始めたらまだやるべきことが次々と出てきます。
安定志向の私にとって引越しは想像以上の大事業となりそうな予感です。
あぁ、気が重いな。
今の部屋での残り僅かな日々を大切に過ごし、来るべき日に備えます。

最後の長期休暇?

2006年3月1日
最後の長期休暇?
医師国家試験が終わってから今日で9日経ちました。

今年から問題を持ち帰れるようになりましたので、それを受けて予備校では模範解答を発表し、受験生は自己採点をすることができました。
もっとも、試験1週間後に発表された予備校の模範解答より早く、インターネットの2chでは試験直後から解答が議論されていて、激論の繰り広げられた一部の問題以外はほとんど全容が明らかになっていました。
むしろ予備校の発表した模範解答に不備が多く、受験生からの指摘を受けて訂正を重ねられるという始末でした。
私は模範解答のほうで自己採点をしたら当初見込みより10点も下がってしまい、がっかりしながら減点箇所を見直したら納得できないものばかりで、翌日には模範解答の訂正がなされて徐々に点数が回復、ホッと一安心というドタバタ劇でした。
ただし、受験生や予備校のほうで煮詰まった解答が厚生労働省の公式解答(合格発表と同時に公表)では無惨に覆される可能性もあり、そこが医師国家試験の残酷で難しい所です。
数学で方程式の解を求めるかの如く明確に白黒つけられない問題が散見し、その動向しだいで運命が左右されかねず戦々恐々としている受験生も少なくないようです。

“〜ようです”などと我関せず、あたかも高見の見物を装っているようですが、かくいう私自身も全てを最悪へ最悪へと悲観的予測にもっていけば何が起きるか分かりません。
でも、そんなことを言い出したらきりがありませんね。
自分の運命を決めるものは国家試験の合否だけではなく、こうして生活しているだけでも常に交通事故や自然災害などに見舞われる可能性を秘めているわけですから。
実際、自分がいくら心配しようとも合否の決定権は厚生労働省に委ねられていますので、それならば勝手に合格を確信して今日一日を前向きに生きるほうが得策です。

もう私の腹は決まりました。
どうせ合格していますので、今月は研修医になる前に与えられた最後の長期休暇と位置付けて思う存分に楽しみます。
それで一転、もしも残念ながら不合格という結果を突き付けられましたら、それはそれで休暇の延長が認められたものと解釈して新たに前向きな生き方を模索すればよいのです。
まずは何よりも健康が一番!
日々の小さな幸せを見落とさず、心身ともに健やかな毎日を過ごしていきたいものです。

自信と不安

2006年2月16日
自信と不安
いよいよ国家試験が目前に迫ってきました。
住み慣れた部屋で勉強をするのも今夜が最後です。
明日は都内のホテルに移動し、試験前夜からの3泊をそこで過ごします。

まだ合格したわけでもないのに、今から偉そうなことを言って結果的に落ちていたら大恥ですが、振り返ってみると自分にとって国家試験の勉強は意外に楽でした。
もちろん要求される知識量は膨大で、それを一つずつ完璧に丸暗記しようと思えば絶望的です。
しかし医学知識を身に付けることは辞書の丸暗記と異なりますので、生理学や解剖学などの基礎医学で学んだことを活かしていけば、正常構造から外れて生じた個々の病態も相互に関連性をもって理解することができます。
国家試験の過去問も、並べられた選択肢から出題者の意図を逆に類推すれば、1問を解くうちに5問分を学ぶ効果が得られました。

さて、さぞかし自信ありげなことを述べてみても、やはり不安は拭い去れません。
今は急いで何かを覚えるというよりも、ただ不安を解消するために最後まで復習を続けながら国家試験を待っているような状態です。
今までの知識で対処できないような問題ばかり出されたら・・・・と考えてみても無意味ですね。
対処できないものは、それでも諦めずに対処できそうな可能性のある知識を探してきて、自分なりにもっともらしい理由をこじつけて正答に迫るしかありません。
そのようにして、少しでも合格に近づけるように悔いのない闘いを演じてきます。

感謝

2006年2月11日
感謝
トリノ冬季オリンピックが開幕しましたね。
このオリンピックのために何年もかけてトレーニングを積んできた選手同様・・・・などと軽々しく語ってしまったら選手の皆さんには大変失礼ですが、私も医学部で過ごしてきた年月の集大成として1週間後には医師国家試験を迎えます。
厳密にいうと、卒業が決まった時点で文部科学省の範疇においては「医学を修めた」ことになっているのですが、厚生労働省が管轄する医師国家試験に合格しなければ世間では通用しません。
この試験で落ちると自分以外の人にまで多大な迷惑をかけてしまいますので、期待を裏切らないように最後まで悔いのない準備を整えて臨もうと思います。

ところで、一般的に受験生の立場としては暗記量の多さなどに嫌気がさしてしまいがちですが、暢気な私の中では勉強をしながら逆に感謝の念が芽生えてきます。
とても覚えきれないほどの膨大な医学的事実が解明され、そして多彩な治療薬や手技が開発され、そこへ到るまでには先人達の偉大な功績が蓄積されてきたからこそ今があるんですよね。
そのように考えれば、たかが目先の暗記で四苦八苦している自分が砂粒同然に思えてきて、むしろ先人の功績を学ばせていただく機会に恵まれたことを心から感謝しています。

この感謝の気持ちを胸に、また新たな驚きと感動を求めて学びの姿勢を貫いていこうと思います。

受験票配布

2006年2月3日
受験票配布
今日、大学で医師国家試験の受験票配布が行なわれました。
私の受験番号は下2桁が49・・・・あまり縁起の良い数字ではなくて困りものです。
縁起の良さそうな番号で変に期待感を持つより、むしろこのほうが勉強への動機付けとなって幸運だったのかな? と考えるようにします。

あと2週間、どれだけ実力を伸ばせるかは疑問ですが、とにかく模試の判定コメントだけは信じないことにします。
「合格圏にいます。今の調子を維持できるように頑張ってください。」などと書かれているものの、あの平均点の高さを見ると、ただ調子を維持するだけでは落ちそうな気配が漂ってきます。

膨大な知識量を問われる医師国家試験の勉強は確かに大変ですが、そのために無駄な1年を余計に浪費するほどの存在でもありません。
やはり残り2週間の勉強だけで早々に決着をつけなければいけませんね。
私が人生で本当にやりたいことは、その先にありますから。
私の鈍い頭脳に鞭打って、もう暫く頑張ってみます。

複雑な心境

2006年1月20日
複雑な心境
今日で3日間の模試が終わりました。
自己採点をしてみたら、本試験での合格ラインと予想される点数を越えることができました。
一般的に模試のほうが難易度を高めに設定されているはずですので、今の調子を維持できれば本試験でも合格点を取れるはずなのですが・・・・本当かな?
最後の模試は私のような劣等生にも自信を持たせるため、わざと簡単に作られていたのかも知れません。

あぁ、この模試が本試験だったら良かったのに・・・・と複雑な心境です。
最後まで点数が悪くて落ち込むよりはマシなのかも知れませんが。
今の調子を維持しようという保守的な姿勢にならず、国家試験の日にインフルエンザに罹っていても難無く合格できるような状態を目指して、さらに磐石な知識を積み上げていこうと思います。

あと1ヶ月

2006年1月18日
あと1ヶ月
今日が医師国家試験の1ヶ月前です。
今日から3日間、私の大学では皆で講義室に集まり、国家試験の時間割に合わせて模試を受けています。
今までの模試は各自で解いたものを締切日までに提出するという形式でしたので、かなり雑な解き方をしていた私はマークミスや問題の読み間違いで無駄な失点を重ねていました。
部屋でテレビを観ながら、あるいは駅のホームや電車の中で“立ち読み”ならぬ“立ち解き”をしてみたり・・・別冊の画像を見ないまま勝手に想像だけで解いてみたり・・・。
今回は初めて試験らしい態度で臨み、あまり急ぎ過ぎずに各設問をきちんと読んでから解いてみました。
おかげで今までのようにバカバカしい失点はなくなり、正解も不正解も自分の実力が反映される点数となっています。

今日の結果だけ見れば、もう来週に国家試験を受けても構わないかな? などと暢気な考え方をしています。
どうせ明日や明後日には根底から覆されていそうな予感がしますが。
といっても受験においてメンタルな部分は知識同様に重要ですので、試験に臨む気持ちのコントロールも含めて最後の模試を有効活用しようと思います。

卒業判定

2006年1月11日
卒業判定
また久々の書き込みになります。

大学のほうでは11月末で卒業試験が終わりました。
その後は国試予備校のビデオ講座を学年全体で受講したり、ひたすらQBを解いていました。
私の大学では卒業試験終了から教授会での最終的な卒業判定まで1ヶ月以上かかり、卒業は大丈夫だろうと信じつつも多少は不安を抱えながら悶々とした日々を過ごしていました。
この不安の要因は卒業判定の不透明性にあります。
科目別の試験で全部合格すればよいというわけではなく、各科目の試験結果は点数として教務委員会に送られるだけです。
つまり科目ごとで合否を決定するのではなく、最終的に全科目の点数が出揃ってから「総合的に」判定がなされるそうです。
また、科目別の試験だけでなく臨床統一試験というものも最後にあり、これは全科から出題される200問の試験です。
この臨床統一試験と科目別試験を「対等に」、「総合的に」考慮して判定がなされると担当教官は言うものの、この言葉の曖昧さゆえに自分の試験結果でも確信は持てず、最悪の場合は不合格と判定されかねないという不安を抱えながら1ヶ月半を過ごしてきました。

そして、今日の昼頃、ついに卒業判定の結果が掲示板に貼り出されました。
残念ながら・・・・学年全員揃っての卒業とはなりませんでしたが、おかげさまで私は無事に卒業をさせていただくことができました。
結果から言えば今まで無駄な心配を抱えながら過ごしてきたことになりますが、ここで卒業を見送られると予定していた人生設計自体が狂ってしまいますので(もちろん国家試験は受けられない!)、とりあえずは今年のうちに国家試験の受験資格を得られたということで半歩全身、ほんの少しだけ安心できました。

さて、これで今日からは何の疑念もなく国家試験の勉強へ100%集中できるようになりました。
どうにかQBは解き終わったものの、まだ何回も繰り返さなければ合格レベルの確実な知識として定着しません。
範囲が膨大すぎて、数日前に覚えたことでも今日には抜けてしまっています。
でも、忘れたものは覚え直すしかありませんね。
話は簡単で、そういうことを繰り返して試験直前まで頑張り続けるだけです。

自分だけでなく、自分を支えてくれる人のためにも国家試験まで残り1ヶ月余りを大事に過ごしていこうと思います。
偽医者事件
かなり久しぶりに日記を書いています。
さて、先週、こんな記事がありました。

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http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200512/sha2005120701.html

33歳“ブラックジャック”逮捕!? ニセ医者が8年にわたり医療行為

“ブラックジャック”捕まる!? 警視庁生活環境課は6日、医師免許がないのに病院などに勤務し、医療行為をしたとして、医師法違反の疑いで東京都目黒区に住む33歳の男を逮捕した。平成9年4月から約8年半にわたり、約20カ所の医療機関に医師として勤務した疑い。現在は都内の3つの民間病院で診療にあたっており、約2000万円の年収があったとみられる。患者からの苦情は一切なかったという。

医師法違反の疑いで逮捕されたのは、東京都目黒区南に住む自称医師、山城英樹容疑者。
調べなどによると、山城容疑者は9月中旬、東京都江戸川区の瑞江脳神経外科医院で、医師の資格を持っていないのに女性患者(49)に診断や投薬などをした疑い。調べに対し「医師免許がないのに医者をやっていた」と容疑を認めている。

山城容疑者は平成9年4月から約1年間、見学生として東京都渋谷区の都立広尾病院に入り、外科医や内科医のもとで外来の診察を見学。打ち合わせの会議にも出席していた。当時、医療行為はなかったという。
だが、この時に診察の流れと簡単な治療方法を覚え、無資格の医療行為を始めたとみられる。医療機関に就職する際は、実在する女性医師が登録している医籍番号を使って偽造した免許のコピーを提出。医療機関側には「慶応大医学部卒業」などと偽り、昨年5月から約半年間勤務した東京都稲城市の稲城市立病院側には「琉球大学医学部卒業」と話していた。実際は定時制高校中退で、医学部で学んだことはなかったという。

都内を中心に約20カ所の病院、医療機関に勤務し、主に当直の外科医、内科医になりすましていた。稲城市立病院には週2回出勤し、診断と投薬などをしていた。手術室での手術はしなかったようだが、15年7月から先月30日まで週1回勤務していた西東京市の佐々総合病院では、切り傷の縫合を行っていた。患者からは「話をよく聞いてくれる優しい先生」との評判もあったという。

ここまでは無免許医の活躍を描いた手塚治虫の漫画「ブラックジャック」をちょっぴり彷彿させる展開だが、無資格が発覚したのは昨年。勤務先の病院が医師免許の原本を持ってくるよう話したところ、山城容疑者が応じなかったため、不審に思った病院関係者が「医師免許の原本を提出しないのはおかしい」と通報。警視庁が捜査を開始していた。

約8年半にわたり医者を装った山城容疑者は昨年、約2000万円もの年収があったという。佐々総合病院関係者は「違和感なく、変なうわさも聞いていませんでした。患者からのクレームもありませんでした。皆、信じられないと言っています」と逮捕に驚きを隠せなかった。
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いやはや、凄い話ですね。
8年間も発覚せずに偽医者をやってこられたなんて驚きです。
何というか・・・・とりあえずは重大な医療事故を起こさずに済んだことが不幸中の幸いでしょうか。
いやしくも医学生である私の発言としては甚だ不謹慎ですが、もはや驚きを通り越して滑稽です。
この容疑者は都立広尾病院で1年間の見学実習を行ったそうですので(その時は学生証を偽造したのかな?)、ある意味では本物の医学生以上に充実したBSLを積んだことになるのでしょうか。
皮肉な言い方をすれば、8年間も気付かれない“名偽医者”を養成できるほど都立広尾病院の教育体制が素晴らしかったという解釈もできますが。

ただ、この記事では容疑者を無免許医のブラックジャックになぞらえていますが、そこは納得できません。
漫画の世界とはいえ、ブラックジャックは医学部をきちんと卒業していますから。
訳あって無免許なブラックジャックと、本当にただの偽医者を演じていた容疑者を同列に語ってほしくないと思います・・・・って、そういう問題ではないのかな?

かくいう私はようやく長丁場の卒業試験を終え、教授会での正式決定を待つものの卒業は問題なさそうです。
これなら私が偽医者をやっても倫理的に多少は罪が軽くなるかな・・・・とバカバカしいことを考えないで、偽造でなく本物の医師免許をいただけるように医師国家試験に向けての受験勉強を頑張らなければなりません。
今のままだと本当に落ちそうな気がしてきましたから。
まずい、本当にまずい!
残り2ヶ月の勉強計画をしっかり練り直して、日々の位置付けを意識しながら後悔と無駄のない生活を心掛けます。

就職先決定

2005年10月28日
昨日、マッチングの結果が発表されました。
第一希望で出していた非大学系市中病院にはマッチせず、結局母校のお世話になることとなりました。
大学病院に決まったことに対して不満はないのですが、やはり第一希望でマッチしないと受験に落ちたようで少し後味の悪さが残ります。
といっても希望順位を登録する段階で迷いはありましたので(やはり自分のようなタイプは母校で大恥をかきながら育ててもらったほうがいいのかな・・・・と)、収まるべき所に収まったのかなと今は納得しています。
何はともあれ、マッチング制度のおかげで就職先候補は1病院に絞られますので、複数社から内定をもらって選択に迷うような贅沢な悩みはありません。
有無を言わさずコンピューターで自動処理されて、あとは卒業試験や国家試験の勉強に集中しなさいと言われているようです。
実際、その通りなのかも知れません。

今日も午後から卒業試験があります。
これで20科目中の16科目が終わったことになるのかな・・・・マラソンでいえば競技場のゲートに差し掛かった辺りですね。
ラストスパートでトラック勝負に挑むほどのエネルギーは残っていませんが、今のペースを落とさず標準タイム内でゴールできる程度に最後まで頑張ります。

漫画感覚の医学書

2005年10月15日 読書
ISBN:4871632938 単行本 KM100%編集委員会 医学教育出版社 1997/07 ¥3,360

最近、この国試マニュアル100%シリーズを愛読してしまっています。
そういえば高校生の頃、書店で「10日間完成英文法」などとタイトルのついた参考書や問題集を眺めては、「本当に10日間で完成できるなら誰も苦労しないだろう。皆がこれで勉強すれば済むのだから。」と見下したような態度で苦笑していたことを思い出しました。
でも、今の自分は試験続きの生活の中で考え方が変わってきました。
漫画でも下品な語呂合わせでも構わないので、とにかく最優先事項を短時間で効率的に詰め込むためには邪魔なプライドを捨てようと考えるようになりました。
そんな考えに到るきっかけとなったのがこの100%シリーズです。
およそ分厚い成書とは程遠い漫画感覚の本ですが、とりあえず国家試験や卒業試験で問われるレベルの知識だけは上手い具合に網羅されています。
この本を一晩読めば、医学生でなく一般人の方でも医師国家試験の当該科目分野で合格点に迫れるのではないかと思うほどです。
もちろん要領の良い整理には限界が伴うもので、さすがに私もこの1冊だけで当該科目の勉強を完結させることはできませんが、いわば新聞の斜め読み的感覚でこれからもお世話になることと思います。

卒業試験の真最中

2005年9月28日
卒業試験の真最中
目下、卒業試験の真最中です。
卒業試験の期間に突入する1週間ほど前までは不安と焦燥感に駆られていたのですが、いざ始まってみると意外に楽な印象で少し拍子抜けしています。
といっても決して余裕で合格点を取れているわけではありませんが。

私の勉強法は、とりあえず卒業試験対策問題集(過去問)は早めに終わらせておき、同じか類似の問題が出れば確実に正解できるようにしておきます。
次に、その同じ科について国家試験の問題集でも勉強します。
やはり卒業試験といっても出題者の先生によって内容の偏りがありますので、自分の大学の先生が重要視するものと国家試験的に重要なものを両方とも押さえておく必要があります。

しかし・・・・最近、その後者のほうが疎かになりがちで、過去問を頼りにぎりぎりの合格点を取れただけで満足してしまっている自分がいます。
やはり新作問題だけで占められても自信を持って対処できるような実力が必要で、その信念に従って最初の頃は計画通りに準備を積めていたのですが、しだいに安易な道へと流れて「過去問キープ作戦」のまま試験に臨んでしまっています。
・・・・そんな態度が災いして今日の科目では危ない思いをしました。
ここでもう一度ネジを巻き直さなければなりません。
再び本来の計画を実行した状態で試験を迎えられるように、今日の反省を絶対に忘れることなく残りの科目を乗り切っていきます。

来週から卒業試験

2005年9月10日
来週から卒業試験
いよいよ来週から卒業試験が始まります。
毎週2〜3科目ずつ、それが2ヶ月間も続く長丁場です。
大学によっては国家試験と同形式に合わせたものを3日間で終わらせてしまう学校もあるようで、どちらの方式が良いのかは一長一短でしょう。
私の現状では模試の成績から考えて国家試験の合格水準(偏差値ではなく、正答率として)に達していませんので、各科目ごとにある程度時間をかけて準備させてくれる自分の大学の方式のほうが好都合といえるかも知れません。
卒業試験を無事に終えられたら、その頃には自然に国家試験合格レベルの知識も備わっているというのが理想ですが・・・・さて、どうなることやら。
建前としては、どの科目も4年生終了時点で一度は合格してきていますので、内容的に全く初めてのものではありませんし、その後のBSLや国家試験対策の勉強で多少なりとも上積みがあるはずですので、大変ながらも勉強の道筋はできているものと信じています。
でも、やっぱり不安です。
卒業できなければ話になりませんからね。
もう今日からは毎日16時間以上勉強するつもりで、大学受験当時の何倍も本気になってみせます。

就職活動終了

2005年8月29日
就職活動終了
とりあえず病院の採用試験が一段落しました。
学生への対応にもそれぞれの病院なりの特色(多少皮肉も込めて)があり、そういうものを体験できただけでも収穫があったと考えるようにしています。
それにしても某病院の面接は素っ気なかったなぁ・・・・
面接官2人に対して受験生3人だったのですが、訊かれたことといえば、「将来の志望科は?」、「実家はどこ?」、「煙草は吸う?」だけでした。
およそ研修医採用試験の面接とは程遠いものでした。
初めから私には興味なかったみたいです。
最終的にどこの病院でお世話になることになっても、自分の熱意と工夫しだいで最高の研修病院に仕立て上げたいと思います。
研修の目的は履歴書に箔をつけることではありませんからね。

病院の試験が終わったら、あとは卒業試験と国家試験のために勉強また勉強の毎日です。
先日、初めて模試を受けてみて自分の惨状を痛感しました。
まだ準備の手薄な科が多く残っているとはいえ、一通り勉強したはずの科でも知識が身に付いていなくて恥ずかしい限りです。
大学受験までは勉強法など考えもせず適当にやってきましたが、これからは自分なりの反省に基づいて軌道修正を試みるつもりです。
季節がしだいに夏から秋へと移り、秋の深まりと共に私の知識も深まっていけるように日々進歩していきたいと思います。

就職戦線迫る

2005年8月17日
就職戦線迫る
約2ヶ月ぶりの更新となります。
もはや自分がこの日記上に存在していることを忘れかけていました・・・・というのは嘘で、色々な方々の日記を日々拝読するものの、いざ自分はとなると話題に乏しすぎて書き込みを躊躇していました。
一応、私自身も肩書上は受験生ということで、その意識が行動に反映されているか否かは疑問ですが、それなりに危機感を抱きながら細々と勉強を続けております。

今週は金曜日から3日連続で病院の採用試験があります。
金曜日が第五志望のE病院、土曜日が第三志望のC病院、日曜日が第一志望のA病院という日程です。
今のマッチング制度というものに全く理解のない父親は、「医学生は売り手市場なんだろ。なんでわざわざ病院が試験なんてやるんだ?」と時代錯誤で見当違いなことを言っていますので、制度の複雑な仕組みを丁寧に説明しようという気も失せます。
売り手市場だろうが買い手市場だろうが、今の制度では最終的に自分の研修先病院を決めるのがマッチング機構のコンピューターなんですけどね。
まあ、確かに一般の人には分かりにくい制度なのかも知れません。

とにかく私にとっては、数々経験したバイトの面接を除いて初めての就職活動です。
今は父親が言うような売り手市場ではありませんが、確かに就職先にあぶれるようなことはありませんので、あえて採用試験のために特別な準備を積もうという気はありません。
普段通りの自分として思っていることを虚飾なく素直に述べ、それをそのまま評価して受け入れてくれる病院こそが自分にとって最良の研修先だと考えるようにしています。
「名門研修病院への就職こそが命!」と意気込んでいる同級生から見れば何とも消極的で投げやりな態度に写るかも知れませんが、むやみに選り好みせずとも決まった先で一生懸命に頑張れば得られるものは大差ない、それが私の持論です。

運命に身を任せながら、その定められた運命を満喫するつもりで人生を歩んでいこうと思います。

写真

2005年6月22日
写真
最近、この日記でも画像をアップロードできるようになったみたいですね。
手始めに私も写真を載せてみました。
この日記で私のハンドルネームはpandaとなっていますが、その名の通り私はパンダさんが大好きです。
もちろんパンダさん以外の動物も大好きで、上野動物園では年間パスポートを買ってほぼ毎月通っています。
ちなみに、日本国内では上野動物園以外にも神戸と和歌山にパンダさんがいて、春休みや夏休みには毎年必ず会いに行っています。

神戸市立王子動物園 
http://ojizoo.jp/
雄の興興(コウコウ)と雌の旦旦(タンタン)がいます。
今日の日記の写真は旦旦です。

アドベンチャーワールド白浜
http://aws-s.com/panda/index.html
永明(エイメイ:お父さん)、梅梅(メイメイ:お母さん)、良浜(ラウヒン:お姉ちゃん)、隆浜と秋浜(リュウヒン、シュウヒン:双子の弟)の大家族がいます。
大学のほうはクリニカル・クラークシップ終了により6月から実質夏休み状態になり、今は各自が就職活動(マッチングで受験を希望する研修病院の見学)や国家試験の勉強に励んでいます。

先日、これから7月に見学実習をさせていただく某病院で実習申込書の提出を求められました。
その中で、
「なぜ医学部あるいは医師を目指したのですか? 将来どんな医師、どんな医療をやってみたいですか?」
という欄がありました。
この日記をご覧になっている医学部生や受験生の方々でしたら、同じ質問に対してどのような回答をなされるでしょうか。面接用の模範解答ではなく、あくまでも自分自身の本音として。
よく、医学部入学直後には「初心を忘れずに・・・・」などという訓辞をいただきましたが、ろくに知識もない状態での浅はかな初心などは忘れてしまっても構わないと思います。というと感じの悪い響きになってしまいますし、浅はかな初心とは何だという抗議の声も殺到しそうですので、もう少し表現を改めましょう。

初心を記憶として覚えておくことは大事かも知れませんが、それを自分の中での揺るぎない信念として持ち続ける必要はありません。

やはり医学部6年間の中で新たに見えてくるものは膨大で、むしろ入学時の価値観などは二転三転するほうが自然ともいえます。しかも、これは学生時代だけの話ではなく、医師になればなったで同じことが繰り返されるのではないかと思っています(なってみないと分かりませんが・・・・)。
私自身、医学部に入った理由なんて軽薄なものでした。もちろん医師に対する漠然とした憧れ程度はありましたが、それだけが他と比べて突出しているわけでもなく、センター試験で運良くまぐれ当たりのような成績だったことを契機に医学部を受験してみたら合格してしまった、それが実情です。
そんな私でも今では自分なりに思うところがあり、やはり医学部を選んで正解だった、医師としてこんな道を歩みたいというものが見えかけています。本当は「見えている」と書きたいところですが、実際に医師になってからの変化を想定して「見えかけている」にとどめておきました。

さて、冒頭の実習申込書で私は当然ながら正直に書く訳にはいかず、いわゆる初心ではなく現在の考えを書いて提出しました。それでも紙面に限りがあり、本当はもっと奥に秘めた思いまでは書き切れなくて平凡な内容になってしまいましたが。
一応、こんなふうに書きました。

社会的に絶対不可欠な尊い職業であること、医学の進歩には際限がなく常に発展途上であること、収入的な面でも比較的安定した生活を期待できること、これらの観点から医師を目指しました。
将来は自分の専門科に関係なく幅広く患者さんの全身状態を診られること、それと同時に必要な場合は適確な判断とタイミングで他科へ紹介できる能力のある医師を目指したいと思っております。

・・・・と。
どうせ8月の選考試験でも面接がありますので、申込書で書き切れなかった部分はその時に語らせていただくつもりです。

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